2023/06/20

学校歯科検診で虫歯がないと言われたのに痛くなった。なぜ?

この時期になると、学校の歯科検診で虫歯があるという紙をもってくる患者さんが多くいらっしゃいます。

 

一方、学校の歯科検診で虫歯が無いと言われたのに痛くなった。なんで?

といった感じでいらっしゃる方もいます。実際に診てみると大きな虫歯になっています。

なぜでしょうか?

 

それは、

学校の歯科検診は限られた時間および道具でしか診査できないからです。

学校の歯科検診は通常1~2人の先生が1日に何百人も診ます。そのため、1人当たり2~3分しか時間をかけることができません。

また、学校歯科検診は保健室などで行われます。椅子に座って口の中を懐中電灯の様なもので照らして診るだけです。怪しいところがあっても顕微鏡で細かく診たりレントゲンを撮ったりすることはできません。

 

そのため、学校の歯科検診で全ての歯科疾患を見つけ出すことはできません( ゚Д゚)

※歯科医院で診療していても全てを調べつくすのは困難な場合もあるので、ましてや学校歯科検診で全て見つけ出すのは不可能です。

 

ちなみにですが、

学校歯科検診でわかる病気

明らかに大きな穴が開いた虫歯、明らかに歯肉が腫れている歯周病、明らかな咬み合わせのずれ、歯列不正など。

 

学校歯科検診で診断困難な病気

穴の開いてない隣接面の虫歯、入り口が小さいが中で大きく広がっている虫歯(Co;初期虫歯だけど経過観察 と誤診されることが多い)、一度治した歯の詰め物の下に隠れている虫歯、歯周炎(骨の欠損まではわかりません)、親知らずの状態、エナメル上皮腫などの顎骨腫瘍など。

 

以上より、学校の歯科検診はやらないよりやったほうがもちろん良いのですが、それだけでは不十分です。そのため、定期的にかかりつけの歯科医院で定期健診を受けたほうが良いと思います。

※定期健診といってもただ単に歯石取りやって終わりの医院ではなく、歯科医師が必ず診てくれる所を探しましょう(^^)/

 

前橋市の歯科医院 まえばしMI歯科

院長 高橋陽介

«       »