今は虫歯の治療の第一選択はコンポジットレジンですが、昔は銀歯で修復することがほとんどでした。
当院の患者さんで、銀歯が同じくらいの時期に(数カ月以内に)複数本脱離してしまって「なぜだろう?」
と不思議に思われていた方がいらっしゃいました。
しかし、これには理由があります。
銀歯はセメントとよばれる接着剤でくっ付けます。
銀歯は毎日何千回も咬まれます。セメントはそれに伴い物理的に劣化します。
さらに銀歯は金属なので、熱いお茶やコーヒーなどにより熱膨張が生じ、冷たいアイスなどにより冷却され収縮します。つまり、温度変化により押されたり引っ張られたりすることで劣化します。
それにより、徐々に接着力は低下し、脱離したりその隙間から二次的な虫歯が生じたりします。
※詰め物は一生持つと思っている方けっこういらっしゃいますが、ほとんどは持ちません。銀歯だと平均5年くらいと言われています(実際には数年でだめになってしまうこともありますし、数十年持っているという話も聞くので、あくまでも平均と考えて下さい。歯ぎしりをしたり固いものをよく食べる人は詰め物の寿命は短くなります。)
おそらく、同じくらいの時期に複数本虫歯の治療をし銀歯を入れ、同じくらいの時期にそれらが傷んでとれてしまったことが考えられます。
そのため、1本とれた人はそれをただ単に付け直してもらうのではなく、歯科医院で全体をチェックしてもらい、二次的な虫歯が隠れていないかも診てもらったほうが良いと思います。
群馬県前橋市の歯科医院 まえばしMI歯科
院長 高橋陽介