前回のブログでアマルガム充填をダイレクトボンディングにて修復した症例を載せましたが、今回はもう少し大きな修復治療についてお話します。
患者さんは60代女性の場合
左側上顎第一大臼歯のクラック(ヒビ)および変色が気になるとのこと。
近遠心および頬側にクラックが認められます。
アマルガムを除去し、クラックを削り、どこまで及んでいるか確認します。
アマルガムを除去し、クラックを削り確認しました。クラックは歯髄(歯の神経)までは及んでいなかったため、抜髄(神経をとる処置)はいりませんでした。話を聞くと、50年ほど前に治療したとのことです。歯は金属イオンが浸透し真っ黒に変色していました。
さて、治療法ですが、以下の3通りがあるかと思います。
①大きく削ってクラウン(被せもの)による補綴
②インレー(型どりをした部分的な詰め物)による修復
③ダイレクトボンディングによる修復
①は被せるので歯自体は割れにくくなりますが、歯を大きく切り株のように削るため歯がほとんど無くなってしまいなす。
②は①ほどは大きく削りませんが、詰め物が歯に対して楔のように作用してしまい割れやすくなってしまうことがあります。
③は歯を大きく削らず、詰物やヒビを削ったところだけ詰める治療になります。
患者さんに説明したところ、大きく削ることはしたくないとのことだったため、③のダイレクトボンディングで修復しました。
術後。歯自体が黒く変色しているため、手前の歯のような色にはなりませんが、歯を大きく削らず自然な感じで修復することができました。費用:¥55,000(税込)
ちょっとマニアックな治療法ですが、当院ではこのように治すこともできます。
左:術前 右:術後
群馬県前橋市の歯科医院 まえばしMI歯科