2022/04/03

歯科金属アレルギーについて

金属アレルギーという名称を聞いたことのある人は多くいると思います。

金属アレルギーとは

身に着けている金属のイオンが溶け出してそれが原因で、湿疹や掌蹠膿疱症(手足の皮が剥けてしまう病気)などの皮膚症状を生じさせてしまうことで、ピアスやネックレス、時計、ベルトなど普段身に着けているものが原因となります。
しかし、歯科治療で用いる金属が原因で生じることもあります。

歯科で使われる(過去に使われていた)金属は、金合金、金銀パラジウム合金、銀合金、コバルトクロム合金、アマルガムなどがあります。

その合金に含まれる元素で、ニッケル、コバルト、パラジウム、水銀、クロム、スズなどがアレルギーを引き起こしている場合があります。

通常の金属アレルギーと歯科金属アレルギーの大きな違いは、「アレルギーかな?」と思ったときにピアスやネックレスと異なり口腔内の金属は簡単に取り外しができないため、診査・診断が重要になります。

 

当院では金属アレルギーの疑いがある患者さんは口腔内を診察した後、まず皮膚科に紹介させていただき必要に応じてパッチテストを実施してもらいます。その結果をもとに、口腔内の金属が関与している可能性が高い場合は金属除去およびメタルフリー修復を行います。(※金属アレルギーの疑いがある場合はいきなり金属を除去するのではなく、パッチテスト等で原因をある程度特定してから治療を開始します。実際には皮膚症状と金属の関連性が認められない場合もあります。)

保険内で治療可能な場合はコンポジットレジンやCAD/CAM冠・インレーを用いて行うこともできます。

※大臼歯で咬合力が強く、すぐに割れてしまう可能性が高い場合は保険適応外のジルコニアなどのセラミックが適応となる場合があります。大臼歯および前歯のクラウンに関してはアレルギーを起こしずらいチタン冠も保険適応となります。

※ブリッジに関しては、一部保険適応のレジンブリッジもありますが、強度が低く破損する可能性が高いため、基本的には保険適応外のジルコニアもしくはジルコニアボンドが適応となります。

※義歯の場合は保険適応の材料がレジン+金銀パラジウム合金もしくはレジン+コバルトクロム合金のため、基本的にはアレルギーが陽性でない金属を用いて作ります。これらの金属両方に対してアレルギーがある場合は自由診療のノンクラスプデンチャーやチタン床義歯などが適応となります。

歯科の保険診療では医科とは違って、すべてが賄われているわけではありません。残念ながらいまだに不十分な点が多い制度です。

 

原因不明の蕁麻疹、湿疹、掌蹠膿疱症があり、皮膚科に通院してもなかなか良くならない方はお口の中の金属が原因かもしれません。気がかりな方は当院にご相談ください。

 

群馬県前橋市の歯科医院 審美歯科 ダイレクトボンディング レジン治療 歯科金属アレルギー治療

まえばしMI歯科 院長 高橋陽介

 

«       »