よく患者さんから、「保険で白い歯にできないの?」と聞かれますが、
結論から言うと、大部分の歯は保険のルール的には白いもので治せます。
※あくまでもルール的にです。
・小さな虫歯の場合、コンポジットレジン(直接詰めるタイプのもの)は無条件で可能です
・小臼歯(前から5番目まで)のインレー・クラウンは無条件で白くできます。
・6番目の歯は7番目の歯がきちんと生えそろっている人で、過度の咬合圧が加わらない場合はインレー・クラウンも可能です。※そもそも6番目の歯自体咬合圧が大きくかかるため、正直適応となる人は少ないと感じております。
・7番目の歯は金属アレルギーのある人は詰め物も被せ物も可能です。(※歯科医院からの歯科金属アレルギーの検査依頼に対して医科の医療機関(皮膚科など)を受診し、金属アレルギーのパッチテストで陽性と判定が出て、診療情報提供を受けた場合のみ可能です。歯科医院を通さず皮膚科を受診しないで下さいm(__)m)
・ブリッジに関しては7番目の歯がすべて生えそろっている人で、5番単独欠損の場合はルール的には可能ですが、正直強度的に無理があると思います。
実際に臨床的にはどうでしょうか。
小さい虫歯の場合はコンポジットレジンで治すので問題ないと思います。
CAD/CAMインレーはまだ出てきたばかりで、適合は十分ではありません。段差も大きく、汚れが付きやすいため、虫歯の再発や歯周病予防の点よりあまりお勧めしておりません。きちんと治したい方は審美性・強度・清掃性を兼ねそろえたセラミックをお勧めします。
CAD/CAM冠は以前と比較しだいぶ適合はよくなってきました。強度もだいぶ良くなってきました。しかし、再治療が必要になった場合に外してみると歯の周りの歯肉が真っ赤に腫れている場合が多いため、歯周病を予防する観点からはあまりお勧めできません。外してみると二次的な虫歯になっている場合も多いです。きちんと治したい方には同様にセラミックをお勧めします。
ブリッジは現実的には不可能です。セラミックのみとなります。
結論から言うと、保険適応の白い歯ですべての治療を十分に行うことは不可能です。
全顎的に白く治したい方は、保険診療で十分な部分は保険を使い、十分でない部分はやや高額になってしまう場合もありますがセラミック治療をお勧めします。
群馬県前橋市の歯科医院 まえばしMI歯科
院長 高橋 陽介